重い生理痛と婦人科系の不調


生理のしくみと生理痛のメカニズム・原因

婦人科系の不調、病気で悩んでいる方は多いです。
重い生理痛をはじめとして、無月経、月経前症候群、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣のう腫、不妊など。

これらの不調、病気は、一連の生理のメカニズムがうまくいかなくて・・・。
「うまく経血を出せない」身体になっています。

ところで「生理痛があるのは当たり前」と思い込んでいないですか?
本当に健康な身体には、生理痛はないのです!

薬を飲むほどの痛みがあるのは・・・。
心身のどこかに、問題・原因があるのです。


では「うまく経血を出せない」原因は何か?
主な原因は @冷えです。

さらに。

Aストレス
B骨盤のゆがみ
C食べ物(悪い、古い油や砂糖)


です。


<生理のしくみとは?>

まず脳(脳下垂体→視床下部)から、 「女性ホルモンを出してくださいよ。」 という指令が出る。

ホルモンの受容体である、卵巣に出される。

卵巣から、卵胞ホルモンや卵子を、卵管を通って 子宮に送り出す。

子宮の内膜に増殖させ、精子の着床に備える。

精子の着床にいたらなければ、 その膜が剥がれて外に出る。


これが経血です。


@冷えがある→卵巣〜子宮ルートの血流が悪く、 子宮の内膜が剥がれづらくなる。

Aストレスがある→自律神経が乱れ、 ホルモンの指令に不具合が生じます。

B骨盤にゆがみ→骨盤内の血液が排泄しづらくなり、 お血・古血が生じる。

C(悪い、古い油や砂糖の)食べ過ぎ→血液がドロドロになり、血流が悪くなる。


<生理痛のメカニズム>

生理が始まると、子宮の収縮を促して経血を外に出すために・・・。
プロスタグランジンという物質が分泌される。

骨盤内の血流が悪いと、なかなかスムーズに内膜が剥がれない。

身体はこの物質が足りないと判断して、 さらに分泌される。

それが生理痛の原因です。


さらにその状態が続くと・・・。
骨盤内の血流が悪くなり、古い血が滞って 固まりやすくなります。

これが子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣のう腫、などの原因となります。



痛みと病気のおおもと:冷え

骨盤内が冷えているか、温かいか。
が、結局のところ、痛みや不調や病気になるかならないかを左右します。

子宮の内側に、はりめぐらされる膜(経血の元)が・・・。

・子宮内が温かいと・・・。

→ふかふかの羽毛布団のようで、剥がれる時はするっと剥がれる。
だから痛みもないし、キレもいい、中に残らない。
→だから、卵巣〜卵管〜子宮内がきれい。


・子宮内が冷たいと・・・。

→せんべい布団のようで、カピカピでなかなか剥がれない。
だから痛いし、時間がかかるし、 きちんと剥がれ切らない。
→剥がれ切らなかった膜が、子宮〜卵管〜卵巣内を浮遊する。
子宮内膜症や卵巣嚢腫、子宮筋腫の原因になる


冷えをとって、婦人科系の悩みを解決するには、以下のことが効きます。

・子宮温活(お股カイロ、布ナプキン)
・冷えと健康法(半身浴、靴下かさねばき、湯たんぽ)


詳しくは、体質改善ページを ご参照くださいませ。



周期の不調のおおもと:ストレス・深層心理

生理不順、無月経、PMS(月経前症候群)。
などは、主に女性ホルモンの乱れの影響を受けてなります。

女性なら誰でも、強いストレスがかかった時・・・。
「生理が遅れる」という経験を、されたことがあるのではないでしょうか?


何故ストレスと生理周期が関係あるのか?
それは脳のしくみによるものです。

強いストレスがかかると、不快な刺激が視床下部に伝達されます。
視床下部は、自律神経とホルモン分泌 を司っています。

なので、ストレスがかかると自律神経が乱れ、同時に・・・。
(女)性ホルモンの分泌がおさえられたり、 逆に暴走したりしてしまいます。


さらに強いストレスがかかると、全身が緊張して硬くなって、 血流が悪くなります。
骨盤内の血流が悪くなると、生理中子宮を収縮させる物質プロスタグランジンが、 さらに分泌されます。

この物質が痛みのもととなります。
こうしてストレスが、生理周期や痛みの原因となるわけです。


ではどんなストレスが、婦人科系の不調を原因となるのか?


・人間関係・・・人とエネルギーを奪い合って消耗している

・視野の狭さや思い込み・・・刷り込まれた思い込みに自分を押し込めている


ストレスに関することは、 心の処方箋ページを、ご参照くださいませ。


さらに婦人科系の不調の場合は、深層心理において・・・。
女性性や母性への否定、 嫌悪感が隠されていることがあります。

「女性らしくなりたくない、母親になりたくない。」という 奥底の気持ちが・・・。
表に現れる症状を引き起こす場合があります。


何故そのような気持ちを持ってしまったのか?


・母親との関係・・・母に愛されたい、認めてもらいたい、嫌い、憎い、 母のようになりたくないなど。
癒されていないインナーチャイルドの心の叫びが、 母性や女性性の否定につながっている。

・女らしさ=嫌らしいという刷り込み・・・子供のころ親から、 女性をアピールすることを心配された。
親に愛されたい気持ちから、無意識にすべての選択基準に影響。

・社会的立場・・・男社会で仕事をするキャリアウーマンなど。
「女性だから」とバカにされたり、甘えたりしたくないという気持ちが、 自分の中の女性性を否定。

・宗教的立場・・・シスターさんなど。
自分の中のセクシャリティを認めたくないという気持ちが、女性性を否定


このあたりを探ってみると、意外な原因が潜んでいるかもしれません。

最近流行語のように使われている「女子力」。
女子力を上げるということは、女性ホルモンを活性化することにつながります。

女性ホルモンを活性化、正常化すると、健康で美しくなります。
つらい症状に悩まされているよりも、ストレスや深層心理としっかり向き合って 解放していきましょう。



更年期障害とは?

更年期とは、卵巣機能が衰えはじめ、ホルモン分泌が減少し・・・。
閉経を迎える前後10年程度(45〜55歳くらい)の期間のことです。

更年期障害とは、から「ホルモンを出し下さいよ。」と いう指令を出しても・・・。
卵巣がうまく応えられなくて、混乱することで起こります。

つまりホルモンバランスの崩れによる、自律神経失調症のことです。


ちなみに普通より早く終わってしまう人の原因は、この卵巣にあります。

ストレスがある→脳の司令塔が乱れ、ホルモンの分泌機能が狂う。

冷えがある→卵巣の機能が低下し、ホルモン指令を受けられなくなる。


<あまり早く生理が終わらない方がいい理由>

生理が苦痛の方は、「早く上がればいい。」と願っているかもしれませんが・・・。
女性は、生理(女性ホルモン)に守られていることも事実です。

主な女性ホルモンの働き


・コラーゲンとヒアルロン酸を増やし、お肌に弾力と潤いを与える。

・脳神経細胞の増殖や、脳の血流を増加させる

・全身の血管を強くし、血流を良くする

・カルシウムのスムーズな吸収を促す


なので女性ホルモンが減少すると・・・。


・お肌の潤いが減り、シミ・ソバカス、たるみがでやすくなる。

・記憶力の減退、物忘れが増える

・動脈硬化や、高コレステロールになりやすくなる

・骨密度が低下し、骨粗しょう症になりやすくなる


つまり女性ホルモンは、老化を防ぎます。
だから、冷えとストレスに気をつけて、 できる範囲で長く活躍させたいものです。


更年期障害の具体的な症状は、人によって内容も軽度も違います。

・身体的症状・・・ほてり、のぼせ、異常発汗、動悸、 めまい、頭痛、首・肩こり

・精神的症状・・・イライラ、不安、焦り、うつ、不眠

などなど。



冷えのぼせを攻略すれば、予防・緩和できる

更年期障害がひどくなる要因は・・・。
すでに「冷えのぼせ」の状態だったこと

にあります。

風邪を引くきっかけはウイルスですが・・・。
もともと免疫力が低かったことに要因があるのと同じです。


冷えのぼせは、冷えが進んだ状態です。


下半身が冷えて(冷やして)、体液が停滞する。

上半身に気と血がのぼって、機能が亢進する。

下からの通常の排泄ルートではなくて、上半身から出てくる (異常発汗、のぼせ)。

上の血がつまって濃くなるので、苦しい症状がでる (めまい、動悸、不眠、首凝り、イライラ)。


つまり更年期障害は、「老廃物をうまく出せない身体」になっている、 ということです。

女性は、年齢が上がるとともに・・・。
誰でも自然と冷えのぼせの状態になっていきます。

それが普通、標準仕様、デフォルトです。
だから落ち込むこともないのですが、気づかないと面倒なことになるわけです。

特に、以下の方は冷えのぼせに気づかず、更年期障害の症状がきつくなる傾向が あります。

・もともと自分は暑がりである、と思い込んでいる。

・冷えとは無縁のタイプであると、思い込んでいる。

・↑のため、健康に自信があり、冷え症の人を気の毒だ思っている


冷えのぼせになっているかどうかを、判断する方法とは・・・。
自分のお尻や腿と、首あたりの温度を両手で体感する。

お尻や腿が冷たかったら、基本かなり冷えています。
冷たいのが当たり前だと思っている人が多いですが、本当は冷たくないです。


ところで、「ホットフラッシュ=更年期障害」という認識は、間違いです。

そもそも冷えのぼせの状態でいたときに、閉経(ホルモン激減)が起こった。

ので、体温調節・発汗を司る自律神経が、激しく乱れた。

結果、症状(ホットフラッシュ)がきつく出た。


ちなみに、更年期の時期を過ぎた方(70代でも!)でも、ホットフラッシュ(異常発汗)が出る 方は結構います。
冷えのぼせ自体を改善しないと、時期を過ぎても困った症状は残るわけです。


では、冷えのぼせを改善して、更年期障害を予防・改善するにはどうしたらいいか?

「頭熱足寒状態」になっているので・・・。
「頭寒足熱状態」にしていけばいい。

です。


具体的には、冷えとり健康法 がかなり効果的です。
(半身浴、靴下重ねばき、スパッツ重ねばき、湯たんぽなど)

詳しくは、体質改善ページを ご参照くださいませ。


足を温かくする。

全身の体液循環が良くなる。

上がっていた気が降りる。頭部の方のつまりが緩和する。

身体がラクになって、心が安定する。


この状態で、閉経というビッグイベントを迎えるとずいぶんラクですよ♪



更年期は、人生棚卸しのチャンス♪

頭寒足熱などで、ある程度予防はしていても・・・。
ホルモンの変化はあるので、やはり自律神経が影響されてしまいます。

いずれにしてもこの時期は、ホルモンの変化により身体は激動期を 迎えるので、・・・。


・疲れやすい

・無理がきかない

・やる気がでない


状態になります。
これが普通で、標準仕様で、デフォルトです。


なので、落ち込むことも自分を責める必要もないのですが・・・。
シンドイ状況に翻弄されるがまま、でいるのは大変です。


ところで、更年期障害のメンタル面での症状の一つに、 「空き巣症候群」というのがあります。
子供の自立とともに、虚無感、孤独感などを感じることをいいます。

それだけではなくて、夫の定年や親の介護などの変化を・・・。
うまく受け入れて乗り越えることが難しいと、うつ状態になったりします。

これまでの人生で、自分の好きなように、やりたいことをやってきた人よりも・・・。
これまで周りの人の期待どおりに、受け身で生きてきた人がなりやすいです。

「自分の人生、これでよかったんだろうか?」
「本当の自分は何が好きで、どうしたいんだろう?」

などと、これまで無意識に避けてきた命題に、はまってしまったりします。

私は、若い時に葛藤するか、ある程度歳を重ねてから葛藤するかは、人それぞれで・・・。
人生のいつかどこかで、必ずこうした命題に向き合うことになると思っています。


でも一方で。
更年期というのは、大きなチャンスだとも思っています。

「更年期でシンドイんで。」 という言い訳ができる!


せっかく周囲も納得せざるを得ない、 なかなかいい言い訳があるのだから。
これを利用して、「自分を生きる」出発点にするといいのではないでしょうか?

とりあえず・・。


・無理はしない。

・疲れることはしない。

・やりたくないことはしない。

・苦手なことはしない。


家事や仕事や子育てや家族の世話、コミュニティにおける人間関係において。
↑を、徹底してやる。


人生の断捨離?棚卸し?
ができるチャンスであると思います。

徹底して、自分を心地よい状態において。
本当に心が望んでいることに、向き合う。


その後の人生を、ラクに生きるために。
更年期というチャンスを活かしませんか?